踊りとは、若さ・細さ・柔軟性を持つ人だけのものではありません。たしかに若いことは貴重なことで、訓練を積んで高く足を上げたりたくさん回転できるようになったりすることは素晴らしいことです。しかし踊りは曲芸ではなく、踊りの本質はビジュアルやテクニックの合間に宿ると私は考えています。
「太っているから…」「体が固いから…」「もうおばさんだし…」という理由でダンスに対して気遅れを感じている人にも、ダンスの楽しさが伝わるレッスンをしたいと思っています。
子どもたちをはじめ、生徒さんに学ぶことはとても多く、私の持っていないものを発見して感動することがあります。大人はもちろんのこと、それぞれが異なるキャリアを持っています。
あなたの強みは何でしょうか。また、苦手なので助けてほしいと思う部分は何でしょうか。モノ・技術・知識・想像力など、様々なものを共有できる関係を目指します。
何の束縛もなく自由に踊ることは楽しいですが、「まっすぐ」を知ることで「曲がる」ことの喜びは膨らみます。
バレエの基礎は、「まっすぐ」を知ることができます。そこから、いかに体の負担を最小にしながら最上のパフォーマンスをするか、がバレエの醍醐味です。
まずは「まっすぐ」を知り、そこから「引き上げ」を知りましょう。コツを掴むまでは地道な基礎練習の積み重ねで、停滞や退屈に出会うこともあると思います。でも諦めずにいれば、必ずやり方が分かるようになります。「まっすぐ引き上がった1センチ高い身体」はとても軽くエネルギーにあふれ、そこから見える景色は今までとは違うものになります。
友人・家族・恋人・子弟、どんな関係でも、言葉は相手に対するプレゼントのようなものです。対面でもデジタルツール上でも、言葉を選びましょう。
私は生徒さんが自分の思ったように踊ってくれない時、自分の伝え方が悪いと考えます。多くの人が関わるダンスの現場では、ちょっとした誤解がトラブルを生んだり、本番のステージに影響したりします。気持ちの良いコミュニケーションは誠実に言葉を選んでいる関係の元で生まれ、それがスムーズな現場を作ることに繋がります。
相手が一生懸命伝えようとしている時は辛抱強く耳を傾け、分からないことや意見の相違があってもイライラせず丁寧に質問しましょう。レッスン中も、「言葉を選ぶ時間」を大事にします。生徒さんからの質問を丁寧に聞き、私も時間をもらって言葉を選びます。言葉とダンスは、つながっています。
楽屋や更衣室で自分勝手に荷物を広げたり、床に座り込んだりする人は、踊る時も位置取りが下手です。空間がどういう状況であるか。自分が今どこに立っているのか。近くにいる人がどこに移動しようとしているのか。空間を把握しましょう。
客観的に状況判断ができる人は、ダンスに限らず学校やお仕事でも、与えられた状況に対して自分がどのような役割・強みであるかを判断することができるようになります。
どこかで見たことがあるものではなく、自分にしか作れないものを創造しましょう。
突拍子もなく、夢みたいなことを考えましょう。
与えられることを待ち、誰かが作った刺激をボンヤリと消化するのではなく、「もっとこうだったら良いのに」と貪欲でいましょう。