アートを通じて子どもたちに「ラテラルシンキング」を伝えます
「では今から、自由に何か作ってみましょう」
さて、あなたは何を作りますか。
- 何を使って?
- どこに?
- どれくらいの大きさで?
- どんなものを?
何でもどうぞと言われると、「えっ、何か決まりはないんですか?」と思ってしまうものです。
自由な表現という言葉は耳障りが良いですが、途方もなく、正直かえって委縮・硬直してしまうことが多いのではないでしょうか。
ゼロから生み出せないのはどうして?
中学生時代、
- 制服を着ましょう
- スカートはひざ丈
- 派手なピンは使用禁止
などの決まりがあり、鬱陶しいと思ったことはありませんか。でもその決まりの中で、ギリギリ先生に怒られないオシャレを楽しんだものです。
これがもし、「何の決まりもなし!水着やパジャマで登校してもイイよ!」と言われたら、かえってどうしたら良いのかわからなくなったかもしれません。
図工や美術の時間にも、「何でも良いから自由に」と言いつつ
- A3の画用紙に
- 水彩絵の具を使って
- 風景を
などのある程度の拘束があったと思います。
表現は、一定の拘束があると生まれやすいのです。
それはもしかしたら、小さいころから他人からの評価の目に晒され、約束事からはみ出した表現をすることに早いうちから恐怖心を抱いているせいかもしれません。
幼稚園児でさえ、「画用紙にクレヨンで絵を書きましょう」と言われたところに「画用紙の上に粘土で山を作る」ことは許されていません。
約束事に則り、周りの空気を読むことができる「知性」は素晴らしい技術ですが、それがかえって邪魔をし、約束事からはみ出したものに対してひどく批判的になる傾向があります。
ゼロから生み出そう
ラテラルシンキングは「何でも良いから何か作りましょう」と言われた時、委縮せず、課題を自分自身で設定して「何か」のアイディアを生み出すことができる技術とも言えます。
水平思考とも呼ばれ、ゼロから生み出す思考です。
対義語としては、結果や前提を先に定義し、それに向かって論理的に考える「ロジカルシンキング」が該当します。
思考の飛躍や突拍子のなさを手に入れることは、アートと社会もつなぎます。
「もっとこうだったら良いのに」という疑問や不満から、どうしたら問題が解決するかを考え、結果的にゼロから価値観・表現・商品・サービスを生み出すことができます。
私の活動は、子どもたちにアートを通じて課題意識の持ち方を伝え、ゼロから生み出す楽しさを感じてもらい、継続的にチャレンジ総量を増やしていけるようフォローアップすることが大きな目的です。